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アジア人対決も韓国代表FWに軍配。
香川真司の夢を砕いたトッテナム (4ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 試合後に「なぜドルトムント戦に強いかは、僕自身にもわからない」と話したソンは、「あるいは、こんなに素晴らしいスタジアムで楽しもうと思ってプレーすることが、いい結果につながっているのかもしれない。ここでゴールを挙げれば、自信にもなるしね」と笑顔を見せた。

 この試合を楽しもうとしたのは、先制点を決めたケインも同じだ。

「僕らは後半にすごくよくなったよね。冷静に逆転できたのは、(3節の敵地での)レアル・マドリード戦の引き分けで自信を得たことが大きいと思う。その後のホームではレアルに勝利を収め、どんな相手にも恐れる必要はないと思えるようになった。そして僕らは、『フットボールを楽しむべきだ』と考えられるようになったんだ」

 懐の深い父親のような指揮官によって才能を開花させる若い選手たちが、高度な戦術のなかで自らを表現する。経験値も高まり、大舞台や強豪にも臆することはなくなり、苦手としてきた代替本拠地(本拠地が新スタジアム建設のため)のウェンブリーでも結果を出すようになった。

 では、ノースロンドンでしばらく雌伏のときを過ごしていたスパーズが、本当にタイトルを獲得できるのだろうか。

「我々は楽しんで、勝負にこだわり、結果を残そうとしている。すべての試合に、そう臨んでいるんだ」

 ポジティブな表情でそう語るポチェッティーノ監督を見るかぎり、その可能性を否定することはできない。

◆スペインの戦術家が分析「ベルギー戦の収穫は長澤和輝と山口蛍だ」>>

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