浅野拓磨、快足飛ばすもゴールならず。「技術と判断力を上げたい」 (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by AFLO

 それでも、ドルトムントも徐々にリズムをつかんでいく。香川もペナルティーエリア内でのタッチが増え、前半終了間際にはゲッツェがPKを獲得。それをアンドレ・シュールレが蹴り、GKが弾いたところをマキシミリアン・フィリップが豪快に叩き込んで同点とした。

 この得点の前に、シュツットガルトのFWダニエル・ギンチェクが負傷し、代わって投入された浅野拓磨がそのままCFの位置を担っている。

「(交代のときは)ゴタゴタしましたけど、自分が一番得意なポジションなので、絶対に決めようと思って入りました」

 しかし、この試合の決勝点はもうひとりの途中出場選手から生まれた。51分、ロングパスを起点とする逆襲からヨシップ・ブレカロが右サイドを持ち上がり、中央では浅野も快足を飛ばして並走していたが、19歳のクロアチア人アタッカーはパスではなくカットインを選択。左足を振り抜くと、ボールはGKの股を抜けてネットを揺らした。

 その後、劣勢に立たされたドルトムントが攻勢を強めたことで、浅野にはカウンターのチャンスが何度か生まれたが、ゴールはならず。最後まで走り続けた背番号11は、「勝利は素直に嬉しいですし、チームのみんなと喜びたいとは思いますけど、それ以上に自分の結果が自分の気持ちを左右する。点を決められずに終わった試合で、心から喜べることはないですね」と悔しさを見せた。そして「技術と判断のスピードを上げていくしかない。今までもそればっかり言っていますけど」と課題の克服をあらためて誓った。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る