松原良香の南米予選ルポ。なぜ
ウルグアイがアルゼンチンを上回るのか (3ページ目)
メッシをマークしたウルグアイ代表アルバロ・ゴンザレスと松原良香氏 ラインの整え方を微妙にゴディンが調節しており、状況に応じて全体がボールを中心に動いている。いつ、何を、どのようにしなきゃいけないかが、チーム全体として一人ひとりに染み付いているんです。
もちろんメッシは狭いスペースに入っていくのが抜群にうまいし、わかっていても取れないというシーンはあるのですが、それへの対応の仕方もわかっている。この試合でメッシをマークしていたボランチのアルバロ・ゴンザレスには、2日後にあったナシオナル対プラサ・コロニアの試合を見ながら話を聞きました。メッシやネイマールといった相手のエースをつぶす役割の典型的なウルグアイ人で、アルゼンチン戦でイエローをもらったので(累積で出場停止となり)所属のナシオナルに戻ったわけです。
ゴンザレスに「メッシはどう?」と聞くと、「うまいよ。半端じゃない、天才だ」と答えました。ただ、「アルゼンチンはどうだった?」と聞くと、「それほどやりにくくはなかった」と言うのです。
理由のひとつは、ウルグアイ人は、アルゼンチンとかブラジルとか、相手が強くなればなるほど燃えるということ。ウルグアイは小国で人口は340万人しかいない。アルゼンチンは4000万人強でブラジルは2億人。だから「絶対負けないんだ」というのがウルグアイ人の気質だとゴンザレスは言うわけです。下から突き上げるようなマインドです。
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