松原良香の南米予選ルポ。なぜウルグアイがアルゼンチンを上回るのか (2ページ目)

  • text by Sportiva photo by Getty Images

 負けないということは失点しないということです。そして、ここぞというチャンスのときには出ていく。典型的なウルグアイのサッカーですね。

 もうひとつ。ウルグアイとアルゼンチンは目と鼻の先なので、お互いの情報も入りやすい。アルゼンチンとすると、絶対に勝たなきゃいけない試合。プレッシャーがあるのは彼らのほうです。それをうまく利用して1発を狙う。そういう状況をうまく取り入れる賢さが彼らにはあります。ちなみにスアレスとカバーニにどんな指示を出しているのか聞くと、「ほとんど出してない」と言っていました。「彼らにはそれは必要ない。ただし情報は与える。ここにスペースが空きやすいとか、こうなると裏を取りやすい、とか。あとは彼らに任せている」とのことでした。

 案の定、チャンスを作ったのは、スアレスとカバーニが前線からプレッシャーをかけてボールを奪い、そこからショートカウンターという形でした。しかも1人が行ったら1人が戻るというような連動があって、それができるのがウルグアイの強さなんだと思います。

 一方のアルゼンチンは、やはり点がほしいので、メッシを中心に攻撃を仕掛けるのですが、それに対してのブロックの作り方とか、スペースの縮め方がウルグアイならでは。CBのディエゴ・ゴディンとホセ・マリア・ヒメネスはアトレティコ・マドリードで一緒にやっているし、そこに若手のDFも加わり年齢的にも非常にバランスがいい。

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