代表からエイバルに戻った乾貴士。ここに欧州サッカー選手の日常がある
W杯アジア最終予選から戻って、中2日。なかなかに厳しい日程だったが、乾貴士はいつものようにピッチに立っていた。ホセ・ルイス・メンディリバル監督から、チームに欠かすことのできない選手であるとの信頼を得ている証拠だろう。
「そういうのは嬉しいです。ただ、何もできなかったのは悔しいので......、もう一度自分自身を見つめ直して、頑張りたいなと思います」
日本代表からエイバルに戻り、セビージャ戦に先発した乾 ラ・リーガ第3節、エイバルはアウェーでセビージャと対戦し、0-3で敗れた。乾の「何もできなかった」の言葉が示すように、乾のみならず、エイバル全体としてもほとんど見せ場のない完敗だった。
乾が監督の信頼を喜ぶよりも、次々に反省の弁を口にするのも無理はない。
「この間(第2節)のビルバオ戦では足元で受けてよくなかったので、裏を狙うっていうのを意識してやりました。でも、こっちがボールを持つ時間が短かったので、そういうのも難しくて、なかなかチャンスらしいチャンスも作れなかったですし、ホントにチームとして完敗でしたね」
それでも、前半のエイバルは劣勢の中に、どうにか活路を見出そうとしていた。少なくとも、それを期待させるだけのものは見せていた。そして、そんな期待を抱かせてくれたひとりが、背番号8だったことは間違いない。
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