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代表からエイバルに戻った乾貴士。
ここに欧州サッカー選手の日常がある (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 8分には、左サイドからのクロスをFWキケ・ガルシアが丁寧に落としたところに、乾が走り込んでボールを受け、シュートこそ打ち切れなかったものの、あわやのシーンを作った。また、前半ロスタイムの46分には、左サイドでパスを受けた乾が、そのままドリブルでカットインしてシュートを放っている。いずれも乾の持ち味である俊敏性とテクニックが表れた場面だった。

 しかし、言い方を変えれば、エイバルの反攻はそこまでだった。

 後半開始早々の47分、エイバルは1本のロングパスで簡単に右サイド(セビージャから見て左サイド)の裏を突かれ、FWノリートのクロスからMFガンソに楽々と決められて先制を許した。

 前半は押されながらも、それなりにうまく戦えていただけに、エイバルにとってはショックが大きい1点だった。乾が険しい表情で振り返る。

「早い時間帯でポンとやられちゃったので、あれは痛かったですし、後半の入り方はすごく悪かったなという感じもします」

 まあでも――。乾はそうつないで、話を続ける。

「(後半の立ち上がりだけでなく)試合全体を通しても相手のペースだったので、もう今日は妥当な結果かなと思います」

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