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堂安律を「ホームシックにさせない」。
フローニンゲンの細かな心配り (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 オープンな性格であろう堂安からは、すでにフローニンゲンの選手と打ち解けている様子が伝わってくる。しかしクラブは彼のことを、家族と離れて異国の地で暮らす19歳の青年として扱い、万全の態勢を敷いているのである。

 グラナダ戦で右サイドハーフとしてプレーした堂安は、自陣で相手ボールをカットしてからMFジュニーニョ・バクーナとワンツーを繰り返し、ふたりでペナルティエリアのなかまで突進するなど、才能の片鱗を見せつけた。ただ、トータル58分間の出場全体で見ると、不完全燃焼の出来だったように思う。それでも、フローニンゲンのサポーターにとってお気に入り選手であることは間違いなく、同時にベンチに下がった5人の選手のうち、堂安には格別大きな拍手が送られていた。

「チームとして守備に追われる時間が多かったので、自分のよさが消えてしまう時間帯が多かったですけど、チームの戦術を頭に入れながら、自分のところからボールを奪って何度かチャンスになっていたので、そこはよかったところかなと思います」

 守備のタスクは果たせたと、試合後の堂安は語った。

 だが同時に、「(相手の)腕力が強いので、今までは(相手を)はねのけて自分がゴリゴリ(ドリブルで)行けたところが、逆にはね返されて(ボールを)ロストするという場面が前半1回あった。あそこのワンプレーが『これが(オランダの)強さか』と今日一番、感じた部分でしたね。やっぱり強かったです」と述べ、仕掛けのシーンで当たり負けしてしまったことも感じ取っている。

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