コンフェデ杯を勝った「ドイツ式5-4-1」の優位な点とダメな点
昨年、フランスで開催されたユーロ2016で、4-3-3(4-1-4-1)は4-2-3-1に次ぐ使用率を誇った。20年前、4-3-3がここまで浸透するとは想像すらしなかった。4-3-3の宣伝役を担ってきたのはバルセロナだ。そのカリスマ性、そして布陣の流行性について、改めて思い知らされる。
一方、ユーロ2016で3バックをメインに戦うチームは、ウェールズとイタリアに限られた。それぞれ3-4-2-1と3-5-2になるが、ここにきて3バック、とりわけウェールズ的な3-4-2-1が目立ち始めている。
4-4-2を定番にするイングランドでも、例えば4-2-3-1をベースに戦っていたアーセナルが、昨季の終盤の数試合を3-4-2-1で戦っていた。1トップ、オリビエ・ジルーの下で構えるのはアレクシス・サンチェスとメスト・エジル。2人が閉じ気味に、いわゆるシャドーストライカー的に構えれば3-4-2-1。開いて構えれば3-4-3になる。
メンバー、布陣を大きく変えてコンフェデ杯で優勝したドイツのヨアヒム・レーヴ監督 先月ロシアで開催されたコンフェデレーションズ杯に、1軍半のメンバーを送り込んだドイツ代表も、それに似た3バックだった。決勝戦を戦ったメンバーで言えば、ティモ・ヴェルナーの1列下に位置するラース・シュティンドルとユリアン・ドラクスラーが開いて構えれば3-4-3、閉じ気味に構えれば3-4-2-1だ。
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