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コンフェデ杯を勝った「ドイツ式
5-4-1」の優位な点とダメな点 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 そしてこの試合のドイツは、文字通りの「5-4-1」になる時間が長かった。頻繁に5バックに追い込まれた。自ら引いたというより、チリのフアン・アントニオ・ピッシ監督に、そのように仕向けられていたという印象だ。

 試合開始からチリの布陣は中盤ダイヤモンド型の4-4-2。アルトゥーロ・ビダルを0トップ型に据え、アレクシス・サンチェスとエドゥアルド・バルガスの2トップを、開き気味に構えさせるスタイルだ。すなわち、ドイツの両ウイングバックにプレッシャーは掛かっていた。3-4-3は5-4-1になりやすい状態にあった。サイドの枚数(左右それぞれ2.5対2)で、チリがドイツを上回ったからである。

 チリは、後半の途中から布陣を本来の4-3-3に変更。サイドの枚数は2対2になったが、相変わらずドイツの5-4-1は維持された。3-4-3にはならなかった。各ラインがチリより低いため、ボールを奪う位置が低い、非攻撃的なサッカーに陥った。1トップと2列目の距離が離れてしまったことも、チリに支配を許した要因だと言える。

 ただ、最終ラインの守りだけは堅かった。スコアは1-0で、前半20分に挙げたゴールを守り切るにはこれでよかったのかもしれないが、"後ろで守ってカウンター"というスタイルを見せられると、昔(2006年以前)のドイツに戻ってしまったかのような印象を受けた。

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