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コンフェデ杯を勝った「ドイツ式
5-4-1」の優位な点とダメな点 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 少なくとも相手ボールの時、両者は開き気味に構えたので、近いのは3-4-3と言うべきだろう。日本にも馴染みのある中盤フラット型の3-4-3。この発案者はウディネーゼ監督時代のアルベルト・ザッケローニだ。ザックジャパン時代、幾度かトライしたものの、結局うまくいかず、断念した経緯がある。

 相手に両サイドを突かれると5バック、すなわち守備的になりやすい3バック。だが、この3-4-3は、あらゆる3バックの中で一番、その心配が少ない布陣だ。ひと言で3バックといっても、攻撃的なものから守備的なものまで様々だが、3-4-3は攻撃的と言っていい布陣。両サイドに各2人が、しかも高い位置に張っているので、サイドの攻防で劣勢に陥りにくいのだ。

 3-5-2(3-4-1-2)は5-3-2になりやすい布陣だ。両者は同義語と言ってもいいが、3-4-3と5-4-1の関係はそうではない。

 にもかかわらず、コンフェデ杯のドイツは自らを、3-4-3ではなく5-4-1と称した。決して守備的でない3バックを敷きながら、監督のヨアヒム・レーヴは5バックだと述べた。あえて守備的だと謙遜したわけだ。

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