2017.07.25

堂安律を「ホームシックにさせない」。
フローニンゲンの細かな心配り

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 今から15年前、FCフローニンゲンにMFペドロ・カマタというアンゴラ生まれの若い左ウインガーがいた。彼はのちにコンゴ民主共和国代表に選ばれることになるが、当時はフランス年代別代表という肩書きを持っていた。

オランダ生活の第一歩を踏み出したフローニンゲンの堂安律 デビューマッチの衝撃は忘れられない。MFジェイ=ジェイ・オコチャを彷彿とさせるようなテクニックで相手を翻弄し、クロスから1アシストを決めたのだ。だが、そんなスーパータレントはホームシックという理由で、この1試合だけでフランスへ帰っていってしまった。

 当時のオランダのプロビンチャ(地方)クラブには、カルチャーの違う選手に対する接し方のノウハウがなかったのではないかと、今にして思うことがある。2005-2006シーズン、ヘラクレス・アルメロに所属していたFW平山相太(現ベガルタ仙台)に対し、サポーターたちのほうが「最近の相太は元気がない。俺たちで何とかしてやれる方法はないか?」と気を配っていたぐらいだった。

 7月22日、フローニンゲンvs.グラナダCF(スペイン2部リーグ)のプレシーズンマッチを訪れると、ノールトリース・スタディオンのプレスルームから、「ここで両チームの監督が試合後に記者会見を開くんです」というスタジアムツアーガイドの声が聞こえてきた。ツアーに参加しているのは、10人ほどの日本人グループだった。