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「元オランダ代表カイト」から
岡崎慎司の現状を考えてみる (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 同時に、残り時間は20分。ベタ引きで守備を固めるには、まだまだ早い時間帯だ。特にセンターバックに難を抱えるレスターは、ボールの主導権を完全に渡してしまうと波状攻撃を受ける可能性が高まる。ゴールを獲りに行く姿勢を示し、アーセナルを牽制しなければならない局面でもあった。

 岡崎が入ったのは、まさにそんなタイミングであった。

 プレッシングとチェイシングで敵のパス回しを追いかける。そして敵のパスを乱し、ショートカウンターにつなげてゴールを狙う。効果的なパスを入れていたアーセナルのセントラルMFグラニト・ジャカを注視しながら精力的に走り回る岡崎は、そんなチームの狙いを体現する動きを見せていた。

 ただ背番号20としては、今季2得点にとどまっているゴールがどうしてもほしい。「途中からの出場だったので、ゴールを狙っていきました。(ゴールが)決まるか、決まらないかでまったく違ってくるので」(岡崎)。守備タスクをこなしながら、いつもよりゴールへの意識をグッと高めて走り回った。

 岡崎の言葉を象徴するのが、81分のプレーだ。自陣ペナルティエリア手前の位置で味方がボールを大きくクリアすると、岡崎は猛ダッシュを開始する。ボールがFWジェイミー・バーディー→MFリヤド・マフレズを経由している間に、敵陣のペナルティエリアまで突っ走った。距離にして約70メートル。マフレズがカットされてリターンパスは戻ってこなかったが、なんとかしてゴールを奪いたいという叫びに近い想いが伝わってくるシーンだった。

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