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「元オランダ代表カイト」から
岡崎慎司の現状を考えてみる (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 守備タスクも抱える岡崎は、当然のように決定機の数がバーディーに比べると少ない。1試合のなかで1~3回。岡崎も常々そう語っている。シュート1発の重みが、普通のFWに比べるとまるで違ってくる。

 ここまで書いて思い出したのが、かつてリバプールに所属したFWのディルク・カイト(2006年~2012年在籍)のことだった。FWながら豊富な運動量を武器に献身的な守備でチームを支え、ラファエル・ベニテス監督率いるリバプールに欠かせない存在だった。

 そんな元オランダ代表FWに批判的な声が挙がったのが、今から約10年前の2007-2008シーズンのこと。セカンドストライカーや右MFなど複数のポジションをこなしたこともあり、国内リーグでの得点はわずか3ゴールだった。「ゴールを獲れないFWは、果たして有効なのか?」。シーズン途中、英国内でそんな議論が巻き起こったと記憶している。

 しかし、ベニテス監督の信頼はまったく変わらなかった。レギュラー組から外れることなく、準決勝まで進出したCLでもスタメンに名を連ね続けた。理由は、戦術上のキーマンであること、精力的なランでチームにエネルギーを注入すること。

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