4年ぶりの先発で見せた、34歳FWデフォーの「イングランド代表愛」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 こうしたウップンを晴らすかのように、デフォーはリトアニア戦で存在感を示した。力で劣るリトアニアは、1トップを残してフィールドプレーヤー全員で守備を固めた。そのなかでデフォーは、巧みなオフ・ザ・ボールの動きでDFラインの背後をついたり、クロスボールが入る直前のタイミングでニアサイドに突入したりと、相手の嫌がるところに顔を出しては味方のラストパスを引き出そうとした。

 そんな身長167cmの小柄なストライカーを、英国公共放送『BBC』のフィル・マクナルティ記者はMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出。その理由を「嗅覚は色あせていない。ピッチにいた60分間は脅威であり、代表復帰が正しかったことを証明した」と記した。

 大量得点が期待されながらリトアニアの分厚い守備に手こずり、手放しで絶賛できる「完勝」とはならなかった。だが、結果が何よりも重視されるW杯予選で勝ち点3を獲得した。その勝利に大きく貢献したのは、ベテランのデフォーに他ならない。

 イングランド代表全体に目を向ければ、ケガのMFジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)やウォルコット、MFジャック・ウィルシャー(ボーンマス)が外れた一方、DFマイケル・キーン(バーンリー)やMFネイサン・レドモンド(サウサンプトン)、MFジェームズ・ウォード=プラウズ(サウサンプトン)が初招集を受けた。フレッシュな感じもするが、今回のスカッドには「小粒化」の印象がどうしても拭えなかった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る