「ゲントの侍」久保裕也は今が旬。ハリルに届け、渾身のベストゴール (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 チームメイトのMFブレヒト・デヤーヘレは、久保のゴールを次のように讃えた。

「なんというゴールだ。まるでプレイステーションのようだった。右のジョイスティックを叩き続けたら、ああいうプレーが出てくることもある。『これはもしかすると"ゴール・オブ・ザ・イヤー"になるかもしれないね』と裕也に言ったよ」

 このゴールシーン以外でも、メヘレン戦の久保は後半開始直後にすばらしいプレーを見せている。左サイドでアサーレからパスを受けた久保は、フェイクの動きでマーカーの逆を取って前に向き、左ウイングのFWモーゼズ・サイモンにスルーパスを出した。それがきっかけとなり、最後は右ウイングのFWサミュエル・カルーがシュートを決めて3点目が生まれている。

 冬の移籍市場の終わりごろ、スイスリーグのヤングボーイズからゲントに加入した久保は、デビューマッチのクラブ・ブルージュ戦で美しいフリーキックを決め、2戦目のズルテ・ワレヘム戦もPKでゴールを奪うなど、いきなり華々しい活躍を見せた。ただ、チームメイトとの連係にはまだ難があったように思う。しかしメヘレン戦の後半早々、ビルドアップに絡みながら攻撃のギアを上げた久保の一連のプレーは、味方との呼吸が合いつつあることを感じさせるものだった。

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