小林祐希がヘーレンフェーンの「リーダー&夕食番長」になっていた

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by SC Heerenveen

 2月25日、オランダの「サブトップ(中堅上位クラブ)」ヘーレンフェーンは、残留争いで苦しむローダJC相手に手こずってしまい、前半を0-0で終えた。そのハーフタイム、ロッカールームでユルゲン・ストレッペル監督は「もっと早く、もっと多く、祐希にボールを出せ。祐希、お前ももっと声を出せ」と指示を出した。「祐希」とは、ヘーレンフェーンでアンカーを務める小林祐希のことだ。

チームのオフィシャル写真でも小林祐希は中央のポジションチームのオフィシャル写真でも小林祐希は中央のポジション 後半に入ると相手チームに退場者がひとり出たこともあったが、ヘーレンフェーンは試合を支配し、一気に3ゴールを奪って3-0で快勝した。小林はゴールに直接絡むことはなかったが、試合後のストレッペル監督は「祐希はヘーレンフェーンの頭脳だ」と小林のプレーを褒めちぎった。

 この日の小林に「7.5」という高い採点を与え、ベスト11に選んだのは『フットボール・インターナショナル』誌だ。「オランダで一番権威のあるサッカー名門誌」として知られる同誌は、3月3日のウェブ版で「ヘーレンフェーンの秘密兵器との邂逅(かいこう)」という小林祐希の大特集を組んだ。筆者が読了するまで38分という力作だ。

 今季ここまでのゴールは1。アシストはゼロ。それでも、中盤の底からチームを支えているのは小林だ。だから、フットボール・インターナショナルは「ヘーレンフェーンの秘密兵器」というコピーを打った。

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