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ボコボコにされたバルサ。PSGが
CL8強を引き寄せた「走り」の差 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 この日のPSGで出色だったのは、バルサの攻撃をほぼ無力にした積極的な守備もさることながら、奪ったボールをことごとく有効な攻撃につなげられたことだった。

 強いときのバルサは、ただ単にボールを回し続けられるだけでなく、ボールを失った後の奪い返しが早い。すぐに相手を囲い込んでパスをつながせず、ボールを奪う。あるいは、無理な態勢で蹴らせて、セカンドボールを拾う。そんな展開の連続に持ち込めるのだ。

 ところが、この試合のPSGはボールを奪い返しにくるバルサを、リズムのいいパスワークで翻弄し続けた。自陣ペナルティエリア内で奪ったボールでも、簡単に大きく蹴り出してしまうことはせず、バルサのお株を奪うようにショートパスをつないで敵陣までボールを運んでいった。

 それを可能にしていたのは、豊富な運動量だ。攻守において足が止まらないPSGと、すぐに足を止めてしまい、次のプレーへの反応が鈍いバルサ。PSGが、ゾーンで守る相手守備網の"つなぎ目"に周りの選手がうまく顔を出し、前方向に縦パスを出せた一方で、バルサは相手守備網の外でパスを回すばかりで縦パスを入れられず、逆に相手のプレスにさらされやすくなった。

 どちらがより多くボールを奪うことができ、どちらがより多く効果的なパスをつなげるかは明らかだった。こうした現象を象徴する存在となっていたのが、両チームの右FW。すなわち、PSGのディ・マリアとバルサのメッシである。

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