ボコボコにされたバルサ。PSGが
CL8強を引き寄せた「走り」の差 (3ページ目)
前にいてもなかなかパスが回ってこないため、しびれを切らしたようにボールをもらいに下がってくるしかなかったメッシ。ところが、この日のメッシはあまりにも簡単にボールを失うことが多く、むしろメッシの下がる動きが、攻撃の悪循環を引き起こす結果にさえなっていた。
これに対し、ディ・マリアは効果的に相手DFラインの前、つまりDFラインと中盤との間に落ちて、縦パスを引き出した。「下がる」という動きにおいては同じでも、その目的や効果には大きな違いがあったのだ。
ボールポゼッション率では、バルサが57パーセントに対し、PSGは43パーセント。パス成功数でも、バルサの522本に対し、PSGは373本と、バルサもそれなりに自分たちのペースで試合を進めていたようにも見える。
だが、勝敗を分ける決定的な差となったのは、走行距離だ。チームトータルで105.11kmのバルサに対し、PSGは113.291kmと、10km近く上回っている。攻守において足が止まらず、終始出足でバルサを勝った様子は、数字にもはっきりと表れている。
これだけパスをつなぎながら、結局、バルサのチャンスを作っていたのは、ネイマールの単独ドリブルしかなかったのはあまりにも皮肉だ。
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