2000年生まれのユベントスのFW、モイゼ・ケアンはアンリ級の黒豹か (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 ポール・ポグバやズラタン・イブラヒモビッチ、ロメル・ルカクらをクライアントに持つライオラは、現代フットボール界で最も大きな影響力を持つエージェントのひとりだ。彼はポグバがマンチェスター・ユナイテッドのBチームにいた頃、このフランス人ビッグタレントをアレックス・ファーガソン監督(当時)がなかなかファーストチームの試合に起用しないことに腹を立て、ポグバをほぼ無料に近い形でユーベに移籍させた。

 昨年夏に、ユナイテッドは史上最高額の移籍金(推定8900万ポンド)を支払って買い戻しており、ユベントスとしては自分たちが彼らと同じ過ちを犯さないように、つまり、ライオラの機嫌を損ねないように、ケアンをなるべく早くシニアデビューさせたのではないか、と見る向きもあるのだ。

「2017年に注目すべき選手はケアンだ」とライオラは『コリエレ・デッロ・スポルト』紙に語った。そして今のところ、ユベントスが「(ケアンの成長にとって)ベストのクラブだ」と認めている。間もなく締め切られる今冬の移籍マーケットでは、マンチェスター・シティやアーセナル、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリードといったビッグクラブが彼に興味を示していると囁かれたが、当面は「イタリアで最も正しく組織されたクラブ」(ライオラ)で成長を続けていくだろう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る