好調なのは原口元気と大迫勇也。ブンデス日本人選手の明暗くっきり (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 武藤同様、負傷のため代表を辞退したアウクスブルクの宇佐美貴史。宇佐美は開幕戦にわずか8分間出場したのみで、日本人選手の中でもっとも出場機会獲得に苦しんでいる。現状では、試合メンバーに入るかどうかギリギリの立場にあるようで、レバークーゼンやライプツィヒへの遠征には、ベンチ外ではあるが同行していた。チームの流れや自身の調子次第でメンバー入りもあり得るという中で、負傷に見舞われた。じっくり治療に取り組めるという意味では、代表辞退をプラスに捉えるべきだろう。

 最下位のハンブルガーはすでに監督が交代。マルクス・ギズドル新監督はシャルケのアシスタントコーチやホッフェンハイムの監督を務めてきた経験豊富な人物だ。就任直後のヘルタ・ベルリン戦に敗れ黒星スタート。チームは厳しい状況が続くが、そんな中でも酒井高徳は6戦すべてにフル出場。右SBの定位置をものにしている。日本代表戦をはさみ、コンディションと負傷に気をつけたいところだが、いい意味での"抜きどころ"を心得ているようだ。

 多くの日本人選手が、W杯予選によるアジアとの往復で明らかにコンディションを落としているのが見て取れる。「それを乗り越えてこそ海外組」と言うのは簡単だが、負のスパイラルに陥りかねない苦しい秋になっている。

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