月給2万円からCL出場へ。ルーマニア王者のボランチ、瀬戸貴幸の冒険 (2ページ目)
気がつけばルーマニア1部リーグで出場した試合数204 は、外国人選手では最多となった。ただ満足している様子は一切なく、日本代表に入ってロシアW杯へ出場したいという、もうひとつの夢も諦めてはいない。そのためにもCL本戦でプレーしたいと語る。
「本戦と予選ではまったく注目度が違いますし、本戦はサッカー関係者なら誰もが見る。そこで活躍できれば代表入りに向けてもいいアピールになる」
現日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチも、かつて「ルーマニアにいい選手がいることは知っている」と話していたことがある。CL本戦で存在感を示せば、身長182センチ、泥臭い守備も厭わない叩き上げのボランチが代表に招集されたとしても不思議ではない。
もちろん、予選3回戦からとはいえ、欧州最高峰の舞台である本戦に辿り着くのは簡単なことではない。ただ、アストラにとっての朗報は、ルーマニア王者として"チャンピオンルート"でプレーオフまでを戦えるということだ。
3回戦の相手はクルセイダーズ(北アイルランド)とコペンハーゲン(デンマーク)の勝者に決まり、勝ち上がりが有力なコペンハーゲンは、プレシーズンマッ チで勝利を収めた相手である。そして3回戦を勝つと、次戦は、プレーオフから参加する"リーグルート"と呼ばれるUEFAランキング上位国で出場権を手に したビジャレアル、マンチェスター・シティ、ボルシアMG、ローマ、ポルトらの強豪との対戦は避けられる。
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