月給2万円からCL出場へ。ルーマニア王者のボランチ、瀬戸貴幸の冒険 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

「その点で、優勝できたのは大きいですね。もちろん、だからといって簡単ではないですが......。アストラとしても、一昨年のヨーロッパリーグのプレーオフでリヨンに勝ったり、去年のヨーロッパリーグの予選でウェストハムに勝ったりしている経験があります。

  ユーロ2016を見ても、欧州の中ではどの国も差が縮まってきているのを感じましたし、それはクラブチームにも当てはまると思います。欧州のカップ戦でも 毎年サプライズチームは出ていますし、そういう意味ではどのチームにもチャンスはある。もちろん、クジ運もあります。それに、仮にプレーオフで敗れても3 回戦に勝てばヨーロッパリーグへの出場権は得られるので、最低でも1回は勝ちたい」

 瀬戸は2年前にヨーロッパリーグの本戦に出場しており、ゴールやアシストもマーク。大舞台に出ることの意味やひとつの勝利の重みを感じている。

「僕自身、ヨーロッパリーグのザルツブルク戦でゴールを挙げた際の反響が大きかったことは身に染みて感じていますし、サッカーでは本当にワンプレーで人生を変えられることがあると思っています。

  ユーロ2016にはルーマニア代表としてアストラの選手も3人参加していました。個人的にはフランス代表のパイエに注目していたのですが、彼は昨年ウェス トハムと対戦した際に、うまいなと思った選手なんです。その選手が、昨季はプレミアリーグのベスト11に選ばれ、ユーロでも大事な場面でゴールを挙げるな どの活躍を見せていたのは、すごい刺激になりました」

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る