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ズラタン&モウリーニョ「2つの劇薬」が
マンチェスター・Uを変革する

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 ズラタン・イブラヒモビッチのマンチェスター・ユナイテッド入団が発表されると、ある1枚の写真が話題になった。写真の中央に立つのは、当時17歳のイブラヒモビッチ。入団を視野に入れての商談時にプレゼントされたというアーセナルのユニフォームに身を包み、静かに笑みを浮かべて写真に収まっている。赤と白のユニフォームには、「IBRAHIMOVIC」の文字が踊る。

オールド・トラフォードの前でポーズをとるイブラヒモビッチオールド・トラフォードの前でポーズをとるイブラヒモビッチ しかし、「契約はトライアルを受けてから」と主張するアーセン・ベンゲル監督と、「俺は契約交渉のためにやって来た。トライアルなど受けない。俺が誰だかわかっているだろ?」と突っぱねたイブラヒモビッチとの交渉は物別れに終わり、契約が成立することはなかった。あれから17年の時を経て、まさかアーセナルとライバル関係にあるマンチェスター・Uに加わることになるとは、イブラヒモビッチも夢想だにしなかったに違いない。

(※ちなみにベンゲル監督は、「後悔はしていない。誰かが『この選手には才能がある』と語っていても、少なくとも自分の目で確認する必要がある。私のスカウトが『100%、最高の選手だ』と評価すれば、私は彼らの言葉を信じるが、そうでなければトライアルを今後も受けさせる」と当時を述懐している)

 このスウェーデン人をプレミアリーグに呼び寄せたのが、マンチェスター・Uの監督に就任したジョゼ・モウリーニョだ。新指揮官の強い希望で実現した今回の補強には、得点不足に悩む「前線の強化」というメインテーマがある。

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