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ズラタン&モウリーニョ「2つの劇薬」が
マンチェスター・Uを変革する (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 昨季、マンチェスター・Uが記録したゴールは「49点」。リーグトップとなる「71点」を記録したマンチェスター・シティに20点以上の差をつけられ、得点数はリーグ10位という受け入れがたい成績に終わった。それだけに、パリ・サンジェルマンのエースとしてリーグアンで38ゴール・昨季通算50 ゴールを叩き出したスウェーデン人の加入は、大幅な得点力アップを見込めそうだ。ポルトガル人指揮官も、「ズラタンはズラタン。得点記録は圧巻のひと言」 と手放しで褒め称える。

 ただ、34歳のストライカーを獲得した背景には、もうひとつ大きなテーマが潜んでいる。現在のマンチェスター・Uに欠けているのが、「勝者のメンタリティ」と呼ばれる不屈の精神力だ。勝ち切れない試合の多い昨季のマンチェスター・Uを目の当たりにして、どこかおとなしいチームになったなと、そんなことを強く感じざるを得なかった。

 思い返せば、アレックス・ファーガソン監督時代のマンチェスター・Uは、最後まで勝負をあきらめない「闘争心の塊」のような集団だった。ファーガソン監督が檄(げき)を飛ばし、その声に応えようと選手たちも必死に走り回った。

 ところが、ムチを打つファーガソンが去ると、DFリオ・ファーディナンドやDFネマニャ・ビディッチ、SBパトリス・エブラ、MFダレン・フレッチャーといった愛弟子たちが次々と退団。昨季のマンチェスター・Uは気持ちよくパスが通るインテリジェンスなチームになったが、憎らしいほど強い彼らのすごみは、すっかり消え失せてしまった。

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