スペインで絶賛の鈴木大輔。「ロシアW杯でプレーするイメージはある」 (4ページ目)
そもそもスピード一つとっても、日本のように単純な足の速さがスペインで語られることは少ない。相手と味方とボールの位置を把握し、準備(ポジ ショニングや体勢)を整えているかで、敵との速さの差は出る。走力は無関係ではないが、優れた読みと適切な間合いをとれた上で、"速い選手"と形容され る。フットボーラーは短距離ランナーではないのだ。
そんな見解の隔たりによって、欧州で活躍できる日本人選手と活躍できない日本人選手が生まれる。
「正直な話、日本での評価に納得できないところはありましたよ。でも、自分で自分のことをわかっていれば、それでいいんです。俺の1番のいいところは、試合の中でも成長できることだと思っていますから」
鈴木はスペインという異国で、自らの証を立てた。然るべき姿を、人々に捉えられつつある。そういえばかつてインタビューしたとき、彼は気にかけているセンターバックの名前を、躊躇(ためら)いつつ口にしていた。
「(マッツ・)フンメルスですね。"目指すような選手ではない"と世間では思われるかもしれません。でも、自分が見ているのはそこで」
攻撃を組み立てる力に優れ、守備も読みのよさが光るフンメルスは、皇帝の系譜を継ぐドイツ人センターバックだ。
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