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ドイツからくも4強進出。苦戦の原因は指揮官レーヴの守備的な選択 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 地力で勝るのはドイツ。それが明らかになったのは、この直後の攻防だ。関係が互角ならば、点を失った方は、すかさず反撃を開始するものだ。だが、かさにかかったように攻めたのはドイツ。イタリアの弱さが露呈した瞬間だが、ドイツの攻めは相変わらず中途半端だった。押し切れずにいると、78分、ジェローム・ボアテングがハンドの反則を犯し、イタリアにPKを献上してしまう。

 1-1。ここから延長の30分間を含む40数分間、試合が動くことはなかった。PK戦の結果は、判定勝ちに等しかった。

 イタリアは可能な限りの健闘をした。だが、スコアこそ1-1ながら、地力には大きな差があった。勢いはあるが技量不足。抜け目はないが不正確。若手選手の数も多くない。前回2012年のユーロでは準優勝に輝いたが、その前後のW杯(2010年と2014年)は、いずれもグループリーグ落ち。そして今回はベスト8という微妙な成績だ。24チーム中、唯一コンセプトの異なる守備的サッカーで、異端性を強めながら敗退した。

 一方、ドイツは、次戦でフランスとアイスランドの勝者に、どんな布陣で臨むのか。最大の注目はレーヴの選択になる。

 スロバキア戦で活躍したドラクスラーは、後半27分に交代で出場した。起用されたのは3-5-2の2トップ。だが彼は、ディフェンスを背にしたプレーが得意ではない。

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