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小国ウェールズが下剋上で4強。なぜ強豪ベルギーに勝てたのか? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Masashi

 最後は、DFをひとり削り、さらに前線の枚数を増やしたが、攻撃を急ぐばかりで守備の足が止まり、致命的な3点目を献上して完全に勝負は決した。

 もちろん、レギュラーDFをふたりも失ったのは痛かった。だが、そこだけに問題があったわけではないだろう。実力的には自分たちが上。しかも早い時間に先制し、いつもの勝ちパターンに持ち込めたことで、ベルギーには油断も生まれたに違いない。それほどディフェンスは緩かった。

 攻撃陣にはキラ星のごとくタレントを揃え、ツボにハマれば爆発的な得点力を発揮するものの、守備は意外なほど脆く、簡単に相手の攻撃を許してしまう。

 しかも、自分たちがリードする形で試合を進められればいいいが、なかなか点が取れないと、前傾姿勢が強くなりすぎて守備がおろそかになってしまう。この試合は、ベルギーの悪癖がモロに出ていた。

 4-0と大勝した後の試合で、1-3の完敗。攻撃力が売りの、腰が高いチームにありがちな浮き沈みである。やはり、ベルギーを優勝候補に推すのは無理があった。十分に予想できた結末である。

 しかし、この試合に関して言えば、必ずしもベルギーのディフェンスだけが敗因ではない。ウェールズの「出来がよすぎた」という面があることは否めない。

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