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小国ウェールズが下剋上で4強。なぜ強豪ベルギーに勝てたのか? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Masashi

 この決定的なピンチは、どうにかウェールズ守備陣が体を張ってゴールを死守したものの、この試合はどうなってしまうのだろう(つまり、ベルギーが大量得点してしまうのではないか、という意味だ)と思わされた。

 実際、13分にMFラジャ・ナインゴランの強烈なミドルシュートで、ベルギーがあっけなく先制。これで事実上、勝負は決した、はずだった。

 今大会のベルギーは、先制した後の強さにおいては群を抜いていた。無理に攻撃には出ずにブロックを作り、相手にボールを持たせておびき出してから、MFアザール、ケビン・デ・ブルイネ、カラスコらのスピードを生かしてカウンターを仕掛ける。こうしたキレのいい速攻から追加点を重ね、相手の息の根を止めてきた。

中盤で激しく競り合うウェールズのラムジー(写真右)とベルギーのデ・ブルイネ中盤で激しく競り合うウェールズのラムジー(写真右)とベルギーのデ・ブルイネ この試合もベルギーは案の定、先制した後はウェールズにボールを持たせ、自陣の比較的高い位置にブロックを形成した。あとはウェールズが同点ゴール欲しさに、前かがりになってくるのを待つだけ。これこそが、ベルギーの勝ちパターンだった。

 ところが、いつもと様子が違ったのは、ここからだ。

 DFトーマス・フェルメーレンを累積警告による出場停止で、DFヤン・フェルトンゲンを負傷でそれぞれ欠き、DFライン4人のうち、ふたりが入れ替わったベルギーディフェンスはいつもに増して脆(もろ)さを露呈した。

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