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レナト・サンチェスは12年前のC・ロナウドより上。ポルトガル4強 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかしレナト・サンチェスは、こちらの心配も何のその、左上にズドンと決めた。この試合のマン・オブ・ザ・マッチは彼の頭上に輝いたが、このPK成功も評価を高める要因だったに違いない。

 すっかりポルトガル代表の中心選手になったレナト・サンチェス。この先、彼がどれほどの選手になるのか。まだ若すぎて予想することは難しいが、細かなステップを経て繰り出される縦への推進力は、すでに一級品だ。他の選手にはない個性、能力を備えている。

 C・ロナウドが初めて出場したユーロは、いまから4大会前(12年前)。自国開催の2004年大会。その時、彼は19歳だったが、いまのレナト・サンチェスの域には達していなかった記憶がある。

 そのC・ロナウドにも、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに輝くチャンスがあった。後半41分。MFジョアン・モウチーニョが繰り出したふわりとした浮き球パスは、ポーランドDFの頭を越え、C・ロナウドのもとに出た。彼は身体をひねりながらダイレクトのボレーでシュートに及んだのだが、なんと空振り。トラップして態勢を整え、落ち着いてシュートをしても決まっていたのではないかと思えるほど余裕があったが、豪快に空振りをした。

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