「決意は本物か?」メッシ代表引退宣言でアルゼンチンは大騒ぎ

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by MEXSPORT/AFLO

コパ・アメリカ表彰式の最中、ベンチでひとりうなだれるメッシコパ・アメリカ表彰式の最中、ベンチでひとりうなだれるメッシ「またしてもPK戦で負けてしまった。チャンピオンになるという思いは誰より持っていたが、残念ながら、それを達成できずに去ることになる。私にとっての代表は終わった」

 コパ・アメリカ決勝戦後の記者会見で、リオネル・メッシの口から衝撃の言葉が飛び出した。アルゼンチン代表からの引退宣言だ。

 メッシ率いる同代表は、2014年ブラジルW杯、2015年コパ・アメリカ、2016年コパ・アメリカ100周年大会と、3年連続でビッグトーナメントの決勝戦に駒を進めたが、いずれも準優勝に終わっている。FWのメッシにとって不本意だったのは、3試合とも延長に突入してトータル360分プレーしながら、チームが1ゴールも奪えなかったこと。

 特に今大会の決勝戦では、立ち上がりから圧倒的優位に立ちながら詰め切れなかったことで、忸怩(じくじ)たる思いがある。PK戦では、GKのセルヒオ・ロメロがチリ1人目のアルトゥーロ・ビダルのキックを止めたのに、アルゼンチンの先鋒として臨んだメッシは、上に大きく外してしまった。

「あれを決めていたら、流れが一気にこっちへきて勝てたのに」と、アルゼンチン人なら誰もが思うが、それを一番痛感しているのは本人だ。チリの優勝が決まると、メッシは無人のベンチでひとり号泣。その後チームメイトらに慰められても、憔悴したもぬけの殻のような表情だった。完全に燃え尽きてしまったのだ。

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