「決意は本物か?」メッシ代表引退宣言でアルゼンチンは大騒ぎ (3ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by MEXSPORT/AFLO

 今大会前、ディエゴ・マラドーナがメッシについて、「リーダーとしての人格がない」と評して話題となった。“神様”のこの言葉は、メッシをどのような思いにさせただろうか。準決勝のアメリカ戦では、代表通算55得点を決め、ガブリエル・バティストゥータを抜いて最多得点記録を更新。皮肉なことに、この偉業達成で代表に区切りをつけやすくなった。

 突然の引退宣言に、アルゼンチンは大騒ぎだ。マクリ大統領も自身のSNSで、「サッカーは常にリベンジだ」と、メッシを翻意させようとするメッセージを発信。前述の批判をしたマラドーナまでもが、「メッシは辞めてはならない。アルゼンチンがロシアW杯で優勝するために、辞めてはならない」とマスコミに語った。

 それにしても、メッシの“決意”は本物なのだろうか。

 GKロメロは、「熱くなって言ってしまっただけだと思う。またしてもチャンスが逃げてしまったのだから、落ち込むのは当然だ」と、突発的な事故だと考えている。

 アルゼンチン国内には、メッシの発言について、「これでよかった」と受け止める向きもある。今回の決勝戦は勝てる試合だっただけに、引退宣言がなければメッシは激しいバッシングを浴びることとなただろう。その結果、嫌気がさして代表を去るということも十分にあり得た。しかし先手を打ったため、ファンはメッシを慰留しようとする。ショックから立ち直れば、再び代表ユニホームを着るだろう……というわけだ。

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