次戦は難敵。ドイツの命運を握るのは「キレッキレ」のドラクスラー (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Hara Masashi

 開始8分、トニ・クロースの左CKは相手DFにクリアされたが、そのこぼれをジェローム・ボアテングが後方から突き刺し先制。さらに13分、スロバキアのマルティン・シュクルテルがマリオ・ゴメスを倒しPKを献上する。メスト・エジルの左足キックは凡庸で、GKのセーブにあったが、観戦者にとってこれは歓迎すべき失敗だった。2−0になったら、その時点で試合は終わってしまうからだ。

 試合を決定づける2点目は、いつ決まっても不思議はなかった。ドイツはチャンスの山を築いたわけだが、43分の場合、スロバキアはどうすることもできなかった。見てるだけ。呆然としているうちにゴールは決まった。

 43分、左SBのヨナス・へクターから、4−2−3−1の左を担当するユリアン・ドラクスラーにパスが出る。ヴォルフスブルク所属の22歳は、タッチライン際でボールを受けるや、スロバキアのユライ・クツカと1対1に。突っかけながら前進し、右足に体重を乗せた次の瞬間、またぎの動作を入れながら縦に出るワンフェイントを入れると、クツカを見事なまでに置き去りにした。

 マーカーをかわし、相手陣最深部に軽快なステップで侵入したドラクスラー。マイナスの折り返しを右足アウトで切れ味鋭く送り込むと、マリオ・ゴメスはインサイドにボールを当てただけで得点をモノにした。

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