ノスタルジックな展開。英国勢同士の無骨な戦いはウェールズに軍配

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 この試合をおもしろいと思うかどうかは、解釈の問題、あるいは、好みの問題だ。
 
 ユーロ2016決勝トーナメント1回戦。イギリス勢同士の対戦となったウェールズ-北アイルランドの試合は、どちらもボールコントロールの粗さが目立ち、これと言ったチャンスの作れない試合だった。

ガレス・ベイル(写真右)のクロスからオウンゴールとなり、ウェールズが1-0で勝利したガレス・ベイル(写真右)のクロスからオウンゴールとなり、ウェールズが1-0で勝利した 前半こそ、お互いそれなりに現代サッカーの流れに沿い、低い位置からでもボールをつないで攻撃を組み立てようとしていたものの、それでは埒が明かないと気づいたのか、次第にロングボールが増加。両チームとも自陣から大きく蹴り合う展開へと変化していった。

 残念ながら、と言うべきか、どちらのチームもボールを持たされても何もできない。相手にボールを持ってもらい、弱者のサッカーに徹してこそ、よさが出る。だからと言って、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを繰り出せるほどの鋭さがあるわけでもない。

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