2016.06.26

ポルトガル、劇的勝利で8強へ。勝因は「苦戦続き」とレナト・サンチェス

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

クロアチア戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた18歳のレナト・サンチェス 決勝トーナメント1回戦は、負ければその瞬間に終戦ということもあるが、この試合はこれまで見た中で一番の熱戦。劇的な幕切れが用意されたドラマ仕立ての好勝負だった。

 クロアチアとポルトガル。開会前、両者の立ち位置はとても近かった。ほぼ同等の前評判だったが、グループリーグの戦いを経て大きく変わった。クロアチアは評価を上げ、ポルトガルは評価を下げた。スペインに勝ち、首位通過したクロアチアに対し、ポルトガルは勝ちなしの3引き分け。16チーム中15番目の成績でベスト16に滑り込んだ。

 1回攻めれば1回ピンチを迎えるサッカー。ポルトガルの苦戦の原因は守備の不安定さにあった。ぺぺ、リカルド・カルバーリョの最終ラインが深すぎるために招いた弊害だとこれまでにも述べてきたが、この試合、フェルナンド・サントス監督は、38歳のベテラン、R・カルバーリョの起用を断念。代わってサウサンプトンのジョゼ・フォンテを起用し、ペペとコンビを組ませた。このメンバー変更が吉と出た。

 守備の充実こそが、グループリーグ3戦との最大の違いで、あるいはクロアチアにとって、それこそが大きな誤算だったかもしれない。この日のポルトガルに、穴らしい穴はなかった。