心を鬼にした長谷部誠、フランクフルト1部残留も、古巣を破って複雑

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

ニュルンベルク戦に勝利し、1部残留を決めた長谷部誠ニュルンベルク戦に勝利し、1部残留を決めた長谷部誠「どっちに転んでもおかしくない結果だったとは思います」

 ニュルンベルクとの入れ替えプレーオフ第2戦を1-0で制し、2戦合計2-1で1部残留を果たしたフランクフルトの長谷部誠は、試合をこう振り返った。

 入れ替え戦2試合を通して勝利に値したのは明らかにフランクフルトだった。2試合とも圧倒的な支配を見せ、ニュルンベルクは枠内にシュートを放つことさえできなかった(1戦目の得点はオウンゴール)。それでも残り25分の時点までは、ニュルンベルクが1部に近づいていた。

 第1戦に続き、フランクフルトは立ち上がりからペースを握った。アウェーゴールを奪われたフランクフルトは最低でも1点が必要で、0-0でも昇格となるニュルンベルクが守備的な戦いを選択するのは必然だった。

 フランクフルトは相手を自陣に押し込んでゴールを狙うが、なかなか決定機を作り出すことができない。自陣ゴール前を固めるニュルンベルクの守備を崩すのは容易ではなく、相手のブロックを攻略できない以上、フランクフルトはエリア外からミドルシュートを放つしか方法がなかった。チャンスらしいチャンスは、前半終了間際にマルコ・ファビアンがミドルのこぼれを狙ったシーンくらいで、攻めながらもフランクフルトからはあまり得点の匂いがしていなかった。

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