「ジダン祭り」は終わった。CL8強進出のレアルに見えた弱点 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 後半64分、ジダンは右サイドを縦に破れるルーカス・バスケスを投入。バスケスはリクエスト通りの動きで、クリスティアーノ・ロナウドのゴールをアシストした。これでローマは戦意を喪失。レアル・マドリードは激しく攻め立てると、結果が出ずに苦しんでいたハメス・ロドリゲスが角度のないところから左足でファーポストに流し込んだ。

「ハメスへの批判は常軌を逸している。決して悪くはない。きっといい仕事をやってくれるだろう」

 ジダンはそう言ってハメスを先発で送り出し、結果を出させた。選手の心の動きは手に取るようにわかるのだろう。結果は、チーム全体にも好影響を及ぼす。監督というリーダーを信じ、チームが一つになるからだ。

 もっとも、今のままでは一つ二つ、上のランクのチームに勝てる可能性は低い。攻撃偏重で戦術的弱点が露骨に見えすぎ、実力のあるチームにはそこをえぐられるのは間違いない。この日も、決定機を幾つも作られていた。ケイロル・ナバスの好セービングと相手のシュートミスがなければ、きわどい展開になっていたはずだ。

「ロッカールームに序列はない。誰もが平等だ」

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