2016.03.10

最下位ハノーファーの清武弘嗣が語る。「僕はJリーグのブラジル人みたいなもの」

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko photo by Getty Images

 いくつものテレビ用のインタビューブースが壁に並び、ピッチから引き揚げてくる選手を待つ各局のスタッフが10数人。反対側ではペン記者たちがお目当ての選手の囲み取材を始めている。雑然としたミックスゾーン。大柄なドイツ人たちの間をかきわけるように、清武弘嗣はまっすぐにロッカールームへ向かっていた。そして、こちらの声が聞こえるとスッと目の前に立った。ゲームシャツを脱ぎ、汗で身体に張り付いたアンダーシャツからは、90分間戦った"熱気"が漂っている。それは体温だけでなく、頭の中も心の中も熱いままであることを伝えてくれた。

ブレーメン戦に先発フル出場した清武弘嗣「ダメだなぁ......。前半に1点返せたけど、後半も......やっぱりいろんなことがグダグダですね」と、強い口調で試合を振り返った。

 3月5日、ブンデスリーガ第25節、最下位に沈むハノーファーは、15位ブレーメンのホームへと乗り込んだ。

「入り方がよくなかった。完全に呑まれていた」と酒井宏樹が振り返るように、18分、26分と失点し、ハノーファーは劣勢に立たされる。思うような戦いができないと判断した指揮官は、トップ下で起用した山口蛍を36分にベンチへ下げた。清武が振り返る。

「昨日の練習で、蛍をトップ下に置くフォーメーションに変わった。蛍自身もトップ下は難しかったと思うし、あいつのプレーは悪くなかった。ただ、フォーメーション変更に選手たちが対応できなかった。頭を使ったクレバーなプレーができなかった」