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ユーロ抽選会に姿なし。オランダ代表は過去40年で最悪のドン底 (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 だが、それ以上に大きな問題がある。ブラジルと同じく、オランダは今どんなフットボールをやるべきかがわからなくなっているようなのだ。

 オランダ代表がこれまで継承してきたスタイルは、もう通用しなくなった。かつて世界で最も「知的」ともいえるフットボールをやっていた国が、ゼロから立て直しを図らなくてはならない。そのときオランダには、おそらく外国人監督の力が必要だ。

 オランダの抱える問題はいくつもあるが、最も明らかなのは「個の力」が低下していることだ。1983~84年生まれの偉大な世代は、そろそろ衰えが見えている。しかしウェズレイ・スナイデルとロビン・ファン・ペルシーは、チェコとホームで戦ったユーロ2016予選の最終戦に2-3で敗れて本大会への道を断たれた直後に、引き続き代表でプレーする意向を示した。

 特にファン・ペルシーは、ずっと先の話までしている。「代表では、38か40歳になるまでプレーしたい」と、ファン・ペルシーは語った。「最年長プレーヤーをめざしたい。それが自分にとってキャリアの目標のひとつだ」

 この言葉は、ファン・ペルシーが現実を直視していないことを示している。彼は32歳だが、今でさえフェネルバフチェのベンチでつまらなさそうな顔をして、オランダ代表でもベンチでつまらなさそうな顔をしている。

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