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いま移籍市場でもっとも人気のある国籍の選手は? (4ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 データが有効に活用できていない例をひとつあげよう。メジャーリーグのボストン・レッドソックスのオーナーであるジョン・ヘンリーは5年前にリバプールを買収し、少ない予算で勝利をものにする「マネー・ボール」のフットボール版をめざした。彼はまだ成功していない。

9 いま移籍市場で最も人気の国籍はベルギーだ

 聞こえのいい国から来た選手に、クラブはより多くの金を出す。これまで何十年にもわたって、移籍市場で最も人気の国籍はブラジルだった。たいしたことのないブラジル人選手をフェロー諸島やアイスランドに売ったことのあるブラジル人エージェントは、サッカージャーナリストのアレックス・ベロスにこう語っている。「下手なブラジル人選手でも、うまいメキシコ人選手よりはるかに売りやすい。ブラジル人には『楽しい』『パーティー』『カーニバル』というイメージがついて回る」

 しかしブラジルが昨年の地元開催のワールドカップ準決勝で1-7というスコアで敗れて以降、そんな空気は消え去った。この大会で株をあげた国籍はコスタリカだった。コスタリカ人選手の移籍金の総額は、2013年には92万2000ドルだったが、昨年のワールドカップの後には1000万ドル近くにまで上がったと、選手の国際的な移籍を管理する「FIFA TMS」は報告している。

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