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いま移籍市場でもっとも人気のある国籍の選手は? (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 しかしイングランドのクラブが、バイエルンやバルセロナ、レアル・マドリードの主力選手に声をかけても、選手のほうがノーと言う。ガレス・ベイル、セルヒオ・ラモス、カリム・ベンゼマ、ネイマール、トーマス・ミュラー、ロベルト・レバンドフスキ......。みんな今所属しているイングランド以外の一流クラブに残ることを選んだ。イングランドのクラブの誘いに乗ったのは、バスティアン・シュバインシュタイガー(マンチェスター・ユナイテッド)やペドロ(チェルシー)のように前クラブで控えだった選手だけだ。

 プレミアリーグが経済面で君臨していることにはマイナス面もある。イングランドのクラブが高給の選手を手放したくても、その給料を払える外国のクラブはほとんどない。とくにルーブルが暴落してロシアのクラブに余裕がなくなって以降、その傾向が強まっている。

8 移籍市場では試合のデータはあまり役に立たない

 ビッグクラブは選手の獲得を考えるときに、統計を使うようになった。データ分析の専門家は、選手の短距離走の最速タイムや相手ゴールに近いエリアでのパス成功率、ゴール枠に飛んだシュートの割合といった数字を調べている。

 しかし野球の場合には統計の力で、それまで正しく評価されていなかった才能が認められるようになったが、フットボールで統計が助けになることははるかに少ない。大きな理由は、選手がボールを持っていない89分間について統計が明らかにできる点が限られているということだ。

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