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アヤックスを救えなかった「現代サッカーの創始者」 (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 グアダラハラは2012年、やはりクライフと関係の深い元オランダ代表のヨン・ファント・シップを監督に据えるようクライフ側から勧められた。だがグアダラハラはファント・シップと、アドバイザーだったクライフをわずか6カ月で解雇した。

「ファント・シップは、ジョゼップ・グアルディオラの系譜を継ぐ指導者だと聞かされた」と、グアダラハラのオーナーであるホルヘ・ベルガラはオランダの新聞に最近語った。現在、ファント・シップはメルボルン・シティの監督を務めている。

 こうしてクライフがじかに影響を与えられそうなトップレベルのクラブは、バルセロナだけになった。しかしクライフがバルサを思いどおりに動かすには、彼と親しいジョアン・ラポルタが会長選に勝たなくてはならなかった。

 選挙前にラポルタとクライフは、失われたバルサの「価値」を嘆いてみせた。マシアから優秀な選手が育たなくなったこと、ユニフォームの胸スポンサーがユニセフからカタールに替わったこと、ネイマールの移籍にまつわる脱税疑惑や、未成年者の国際移籍をめぐってFIFA(国際サッカー連盟)から下された選手移籍禁止処分のことなどだ。

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