イタリアサッカー復権の戦いだったユベントスのCL決勝 (4ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by MUTSU KAWAMORI/MUTSUFOTOGRAFIA

 それから29年。この間にミランが勝ち取ったタイトルはスクデット8回、チャンピオンズリーグ(CL)5回、インターコンチネンタルカップ2回、クラブワールドカップ1回、ヨーロッパスーパーカップ5回、イタリアスーパーカップ6回、コッパ・イタリア1回と、合計28にものぼる。まさにミランの黄金時代はベルルスコーニと共にあった。

 しかし長年の政治活動や多くの裁判などを抱え、ベルルスコーニにもその持ち会社であるフィニンベストグループの資金にも陰りが見られてきた。数年前からチームにお金をかけることができなくなり、獲得するのはレンタルか移籍金ゼロの選手ばかり。先シーズンに引き続き、今シーズンのミランの不調は当然といえば当然の結果である。

 そこでついに、ベルルスコーニはミランの株を売却することにした。買い手はタイ人のブローカー、ミスター・ビー。まず譲渡するのは株の48%で、ベルルスコーニは依然筆頭株主のままだが、今後段階を追って持ち株の全てが売却されると思われる。仕方のないことではあるが、サッカー界から名物オーナーが消えるのは寂しいところである。

【第1位】ユベントス久々のCL決勝とピルロの涙

 シーズンの最後になってイタリアサッカー界を一番賑わしたのは、やはりユベントスのCL決勝進出だろう。ユベントスは国内リーグでは圧倒的な強さをみせ4連覇を達成しているが、CL決勝出場はなんと2002~03シーズンが最後、実に12年ぶりであった。

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