3冠を達成するのはバルサかユーベか。CL決勝見どころを分析 (3ページ目)
決勝の相手はバルセロナ。今シーズンのバルセロナが誇る3トップ(メッシ、ネイマール、スアレス)の破壊力は、もはや別次元と言うべきレベルにある。当然、バルセロナ有利の前評判は動かしがたいが、ユベントスがことごとく不利な予想を覆(くつがえ)してきたことを考えると、勝負がそれほど単純に決するとは思えない。ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督も「バルサを倒すのはいつも簡単ではないが、決勝は一発勝負だから」と腕を撫(ぶ)す。
ユベントスがバルセロナに勝利できるかどうかは、FWテベスの出来がカギを握っている。テベスはチーム得点王(リーグ20得点)にして、今季CLで7ゴール。数字以上に、ここぞというところでゴールを決める勝負強さは際立っている。
また、テベスと2トップを組むFWアルバロ・モラタが調子を上げているのは心強い。
モラタは、アッレグリ監督曰く、「まだポテンシャルを出し切っていない」22歳の成長株。準決勝の2試合では古巣のレアル・マドリードから2ゴールを挙げ、強烈な“恩返し”を遂げた。決勝の相手はレアルの宿敵・バルセロナだけに、レアル育ちのFWは気兼ねなく暴れられるはずである。
今季CLで12試合7失点という数字が物語るように、ユベントスが「堅守」を武器にここまで勝ち上がってきたのは間違いない。ただし、上り調子の2トップが証明しているとおり、イタリア伝統の「カテナチオ」でただただ守りきってきたわけではない。豊富な運動量を生かして、連動してボールに襲い掛かる積極的な守備から、鋭い攻撃を繰り出す。ここまで実践してきたその戦い方を決勝でも発揮できれば、バルサの優位を崩して、ユベントスが19シーズンぶり3度目の欧州制覇を果たす可能性は十分ある。
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