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CL制したバルセロナ。今季の真のMVPは誰だ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 3-1でバルセロナと聞けば、差の開いた内容をイメージするが、バルサの3点目はそれとほぼ同時にタイムアップの笛が鳴った終了間際のゴール。内容は、1点差の時間が試合の大半を占める接戦だった。

 バルサ断然優位。ユベントスが1-0で勝つ倍率より、バルサが3-0で勝つ倍率の方が低いという戦前のブックメーカーの予想に反する内容だった。言い換えれば、面白い試合だった。そうなった理由はどこにあるのか。

カップを掲げて歓声に応えるメッシ(バルセロナ)カップを掲げて歓声に応えるメッシ(バルセロナ) 開始4分に、MFラキティッチのゴールでバルサが先制した時、一方的な展開を予想した人は少なくなかったはずだ。だが、試合はユーベが次第に盛り返していく。前半の後半部分は、ユーベの時間と言ってよかった。

 バルサは相手を完全に攻め殺さないタイプのチームだ。バイエルン戦(準決勝第2戦)でも、後半なかばに意図的にペースを落とし、2ゴールを献上したことがいい例だ。勝利に対してどん欲なチームと、どん欲でないチームとがあるとすれば、完全なる後者。W杯の準決勝で開催国相手に7ゴールを奪うような振る舞いはしない。

 それが、大一番に弱い最大の原因でもあった。バルサほど、取りこぼしの多いビッグクラブも珍しいのだ。チャンピオンズリーグ(CL)の優勝回数はこれで5回になるが、それでもまだ、ライバルチームであるレアル・マドリードの半分に過ぎない。伝統的にお人好しの気質が流れているクラブなのだ。

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