2015.06.04

ピルロ最後のCL決勝。「圧倒的不利でも可能性はゼロじゃない」

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

■アンドレア・ピルロインタビュー 後編
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 12年ぶりとなるチャンピオンズリーグ(CL)決勝に進出したセリエAの名門・ユベントス。その攻撃のタクトを握るアンドレア・ピルロは、今年36歳になった。本人が「最後の戦いになる」という6月6日のCL決勝を前に、イタリアサッカーの現状と、自らの将来を語った。

――現在ユベントスはリーグを4連覇中。しかしCLではベスト8に残るのもやっとという状態。「イタリアでは勝てても、欧州で勝てない」「イタリアサッカー凋落の象徴」と、国内のみならず国外のメディアからも揶揄されてきました。それが、レアルを退けCL決勝進出を決めると論調は一転、「イタリアサッカー復活」とまで言われ始めています。こうした変化を、どう見ていますか?

CL決勝進出を決めて喜ぶピルロ(写真右)photo by Getty Images ずいぶん長くこの世界に身を置いているから、少々のことでは驚かないし、僕は誰が何と言おうとそれを気にすることは一切ないよ。どんなに酷評されていても、わずか1発のゴールで評価は完全に覆(くつがえ)る。これが当たり前とされる世界だからね。

 ただ、「凋落」という言葉が正しいかどうかはともかく、ここ数年のイタリアサッカー界にかつてのような資金がないことは紛れもない事実。当然、いわゆる”スーパースター”の数は減る。とすれば、言うまでもなく、華やかさに欠けることを根拠にそのレベルが下がったと見なされるのだろうけど、果たして本当にそれが正しい解釈なのかどうか、僕には分からない。

 ひとつ言えるのは、「それでもセリエAは欧州屈指の”難しい”リーグであることに変わりはない」ということ。たとえば、ユーベのFWアルバロ・モラータ(スペイン)。もちろん、ひとつの例だけれど、今季の彼の成長は、イタリアの難しいサッカーと対峙してきたからこそもたらされたと思う。