じぇじぇじぇ!C・ロナウドがワールドカップで見られない? (2ページ目)
ファン・ハール監督率いるオランダは、前線にはファン・ペルシー、ロッベン、スナイデル、ファン・デル・ファールトといったお馴染みのメンバー、そして最終ラインとボランチには、成長著しい国内の若手を中心としたメンバーを編成。基本的には世代交代の真っ只中で、前回の南アフリカ大会からの新陳代謝がカギと見られていた。確かにグループに恵まれたことは事実だが、そんな中でエストニアとのドロー以外は全勝している点は評価に値する。
注目は、ボランチとして攻守の要となる23歳のMFストロートマンだ。この夏にPSVからローマに移籍した注目株で、代表ではすっかりチームの主軸に成長している。優れたパス能力はもちろん、プレースキッカーとしての能力も高く、オランダの本大会での成績は、ストロートマンがどこまで成長できるかにかかっていると言っても過言ではないだろう。
その他、10月に2試合を残すだけとなったヨーロッパ予選では、グループAのベルギー、グループCのドイツ、そしてグループEのスイスが予選突破に大手をかけた状態にあり、1試合消化が少ないグループIのスペインも首位通過は確実と見られている(スペインの残り2試合が最下位のベラルーシ戦と4位のグルジア戦なため)。この中で注目すべきは、近年長く低迷していたベルギーとスイスの復活だろう。ベルギーについては前回のコラムで紹介したが、スイスも進境著しい注目のチームだ。
【グループA】
1位:ベルギー(勝ち点22) 2位:クロアチア(勝ち点17) 3位:セルビア(勝ち点11)
【グループC】
1位:ドイツ(勝ち点22) 2位:スウェーデン(勝ち点17) 3位:オーストリア(勝ち点14)
【グループE】
1位:スイス(勝ち点18) 2位:アイスランド(勝ち点13) 3位:スロベニア(勝ち点12)
【グループI】
1位:スペイン(勝ち点14) 2位:フランス(勝ち点14) 3位:フィンランド(勝ち点9)
自国開催だったユーロ2008ではグループリーグ最下位で敗退し、国民を失望させてしまったスイスは、大会後からバトンを受けた自国の英雄でもある名将ヒッツフェルト監督がチームの再建に着手。前回のワールドカップ本大会に出場したときと比べ、さらにヒッルフェルトらしい堅実なチームが完成しつつある。
チームの中心となっているのはセリエAで活躍しているタレントたちで、特にチームの肝となっている中盤のセンター2枚、ベーラミとインレルのナポリコンビは、これまでのアグレッシブさに加え、選手としての円熟味を感じさせるプレイでチームを統率する。また、同世代としてチームの主軸となるDFリヒトシュタイナーは、フランスのリールからラツィオを経て、現在はユベントスの中心となっている右サイドバック。恐ろしくアグレッシブかつ強烈なメンタリティーが特徴の選手で、守備だけでなく、積極的な攻撃参加によってチームのアクセントとなっている。
彼ら経験豊富な選手に加え、攻撃の起点となるボルシアMGのMFジャカ、前線でフィニッシャーとなるソシエダのFWセフェロヴィッチは、2009年U-17ワールドカップ優勝チームの中心メンバーで、現在めきめきと力を付けている注目の若手だ。これに、バイエルンに所属する同世代のMFシャチリがサイド攻撃の核となる。そういう点で、予選突破を果たした暁(あかつき)には、ベルギー同様、スイスもブラジル大会でのダークホース的存在となるかもしれない。
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