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苦戦続くシャルケ内田篤人。「開幕から面倒くさい展開に...」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

「ボールが出たから走っただけ」と言うが、立ち上がりからの積極的なプレイはモチベーションの高さを感じさせた。

 今季のシャルケはサイドバックを高い位置に置き、攻撃に参加させる。左右のバランスをとりながら攻撃の厚みを重視した形が上手くいっているかに見えた。だが、相手はゴール前を固めてくる。最終ライン4枚とボランチ1枚が常に後方で守ったため、シャルケは最後の最後で崩せずにいた。

 32分にようやく先制。ドラクスラーが放ったシュートのこぼれ球をシャライがキープし右へ出し、最後はファルファンが左足ダイレクトシュート。ボールは左ポストにあたりそのままゴールへと吸い込まれた。

シャルケはその後もドラクスラーを中心に攻めたてたが追加点はなく、1-0で試合を折り返した。

 後半に入ると、相手はシャルケの攻撃に対し落ち着いて対応するようになり、逆にチャンスと見ればカウンターを仕掛けてくるようになる。73分、PAOKのストッフが左サイドをドリブルで突破、遠目の位置から右足シュートを放ちネットを揺らし同点とした。

「自分のゾーンに入ってきたから、後ろのコースを消しながら対応した。仕方ないといえば仕方ないけれど......相手のシュートを褒める? それはない」と、内田はあくまで冷静に振りかえった。

 PAOKが盛り返してきたとはいえ、後半もシャルケの支配率は64パーセント。決して互角というわけではなかったが、試合のスコアは引き分けに終わった。

 結果と共にシャルケにとって痛手となったのは、後半40分、接触プレイでファルファンが左足首を痛めたことだ。スタッフに支えられながら試合会場を後にする姿は痛々しく、復帰まで時間がかかりそうだ。
 

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