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【EURO】真逆だったフランス、イングランドのドローの受け止め方 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 原悦生●写真 photo by Hara Etsuo

 一方のイングランドは、ルーニー不在の最初の2試合をどうやりすごすかが上位進出のカギでもあった。勝って勢いに乗りたいフランスと、2位通過でもいいから勝ち点を稼ぎたいイングランド。そんな構図だからこそ、ドローという結果の受け止め方も両者真逆のものとなったのだ。

 イングランドの先制点は前半30分、ジェラードのフリーキックをレスコットが押し込んだ。このセットプレイの前には別のボールがピッチ内に入り、外に出すためにちょっとした間があった。そしていざ笛が鳴ると、レスコットのマークについていたディアラは集中を欠いたか簡単にそのマークを外してしまった。イングランドにしてみればラッキーな、虎の子の一点だった。

 39分、フランスの同点弾は左サイドで複数の選手が絡み、最後はリベリーがペナルティーエリア内からマイナスのボールを送ると、走り込んだナスリが右足を振り抜いた。

 後半に入るとリベリー、ナスリがサイドで起点になり、中盤が絡んだ攻撃の形がいくつも見られた。だが、イングランドは最終ラインと中盤がラインを崩さず、ゴール前では人数をかけることで守りきった。この後、フランスの前にここまで人数をかけて引いてくる相手が出現するかどうかは分からないが、崩せなかったという意味では改善が必要だろう。

「複雑な心境だ。相手もそうだろう」とはブラン監督。だがホジソン監督は「このレベルで戦えることが分かった。チームはフィットしてきている」と手応えを口にした。同組では地元ながらひとつ力が劣ると思われていたウクライナがスウェーデンを破っている。波乱の予感がする。

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