【EURO】ロナウド沈黙、ドイツの術中にはまったポルトガル
貴重な先制ゴールを決めたマリオ・ゴメス ユーロ2012、2日目はB組の2試合が行なわれた。デンマーク、オランダ、ドイツ、ポルトガルという強豪が揃い、「死のB組」と表現される、激戦必至のグループである。
さきに行なわれたオランダ対デンマーク戦では、優勝候補にも挙げられているオランダがデンマークに1-0で敗れる波乱が起きた。ドイツのレーブ監督は 「これは欧州選手権だ。弱いチームなどひとつもない」としながらも、「オランダが1点も取れなかったことに驚いた」と素直な感想を漏らした。逆にポルトガルのベント監督は 「デンマークが1番弱いなんて思っていない」と平静を装った。ただ、まさにこの結果がこのグループの厳しさを物語っており、試合前のドイツ、ポルトガルに緊張感をもたらしたのは間違いない。
試合は初戦の難しさを感じさせる立ち上がりで始まった。互いに固さが見える前半は、ボール支配率62パーセントと、圧倒的にドイツが優位に進める。だが、チャンスらしいチャンスはなく、逆にポルトガルは終了間際にCKからのこぼれ球をペペが右足でシュート、これがバーをたたきひやりとさせられる。
後半は互いにオープンになり、ゴール前のシーンが増え始めた。とはいえドイツの決定機は少ない。後半27分、ケディラの右サイドからのクロスがディフェンダーにあたり、コースが変わったところをマリオ・ゴメスがヘディングで押し込んだ得点シーンは、そんな中で生まれた。
試合後、「ゴメスは1チャンスで1ゴールを決めた。1-0で勝てたことが大きい」と、レーブ監督は興奮気味に語った。エジルを中心に攻撃を組み立てるも、フィニッシュに至る形に多様性はなく、両サイドからのクロスがメイン。ひたすら入れ続けたクロスが結実したわけだが、課題は少なくない。この日、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたエジルは「この試合内容がベストではない。もっと良い試合ができることは分かっている」と、指揮官とは対照的にいたって冷静だった。
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