【EURO】選手も国民も優勝を確信しているドイツの「唯一の不安」 (3ページ目)

  • 鈴木良平●解説 analysis by Suzuki Ryohei
  • photo by Getty Images

 両サイドアタッカーの駒も充実しており、右はトーマス・ミュラーがスタメンで、ドルトムントのマリオ・ゲッツェがサブ。左サイドは円熟味を増したルーカス・ポドルスキーがレギュラーを務めるが、現在売り出し中のアンドレ・シュールレがポドルスキーを脅かすほどの存在に成長。両翼の選手層も今大会ナンバーワンのレベルになっている。

 ストライカーも含め、これらハイレベルな攻撃のタレントたちによって繰り広げられる攻撃は、バリエーション豊かで破壊力抜群だ。

 レーブ監督は、できるだけ素早く前線にボールを入れる攻撃サッカーを身上とするが、だからといって単純な一本の縦パスだけで勝負するようなことはしない。ダイレクトパスを使った速い組み立てをベースに、エジルの創造性、ミュラーやポドルスキーの意外性のある動きといったプラスアルファーの要素が織り交ざり、ポゼッション型のスペインとは異なる種の攻撃サッカーを実現している。

 前回のEURO2008では、決勝戦でスペインに0-1で敗れて準優勝。続く2010年W杯でも、準決勝でスペインに0-1で黒星を喫して3位に甘んじたドイツ。「2度あることは3度ある」のか、それとも「3度目の正直」となるのか。スペインはピークを過ぎたと見られているだけに、後者の可能性がかなり高いだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る